生産性向上委員会[1]:ポモドーロ・テクニックについて

仕事のブログなので、仕事をどうやって効率的に進めていくかというテクニックについても触れてみたい。というよりは、色々と試してみては上手くできたりできなかったり、と色んなパターンがあるので、どんなもんだったのかを「あくまでも個人的見解から」書き出してみたい。第一回目は『ポモドーロ・テクニック』。

 

ポモドーロ・テクニックとは

いつも通りで恐縮ですが、ggrks。集中力を「持続」させて仕事をバリバリやりましょう、というのが基本。とは言え集中力は長時間続かないので*1、集中する時間(ポモドーロ・テクニックの場合は25分)と休憩時間(小休憩5分、大休憩30分)を交互に挟みつつ、集中力の高い状態で仕事をする、という方法。

実際の仕事の流れはどうなるか

25分の作業時間→5分の小休憩を3回繰り返し、25分作業をもう一度したら30分の大休憩、というのが標準的なポモドーロ・テクニックの流れなんだそう。

全然関係ないのだけれど、この短時間の反復で効果を云々って、サーキットトレーニングとかHIITとか(トレーニングメソッドね)と似てる。どっちも「集中を高めて短時間で効果的に」という謳い文句でやってます。*2

そして、もう2つ単純なルールが。

  1. 休憩中は仕事をしないこと
  2. 25分の作業時間はやると決めたこと以外は絶対にやらないこと

たったコレだけ。道具として必要なのは25分を測ることができるタイマー1つ。キッチンタイマーがちょうどいい感じに使えます。*3 

かわいい キッチンタイマー トマトタイマー 1~60分 360度
 

 

実践してみよう

やってみるとそれなりに効率よく作業が進んでいる、ように思えます。

休憩終わって作業を始めると、集中は確かに途切れないんです。25分はちょっと長いように感じますが、実際にやっていると、いつの間にかタイマーが鳴っている、ということもしばしば。作業もかなり捗ります。

25分のセッション(1『ポモドーロ』と表します)を4回やると小休憩を挟んでおよそ2時間。2時間おきに大休憩を挟むことになります。午前に4時間、午後に4時間の計8時間をセッションとして組めば、朝型の人であればちょうど昼メシを挟んだスケジュールが組めそうです。

5分間の小休憩は、だいたいトイレに行ったりコーヒーを入れて飲んだり、(コレを試していた頃はまだ喫煙していたので)タバコを吸ったり、と意外とバタバタしますが、気分転換には十分な時間です。

問題点はあるのか

最初にポモドーロ・テクニックをやるにあたって、実は一日の作業の前にかならずやらなければいけない(そしてルールとして触れていないが大前提として存在する)作業があります。その日にやるタスクを25分ずつに分割し、「今日はコレだけ作業する!」という宣言をしなくてはいけません。そもそもそういう仕事の仕方(いわゆるタスク駆動形式)をしていない、もしくはそれが無理な場合はできません。

そしてもう一つ、「25分の作業時間(1ポモドーロの間)はやると決めたこと以外やらない」というルールが思っている以上に『難しい』んです。1ポモドーロの最中に電話がかかってくることはよくあります。と言うか、仕事中に邪魔が入るケースはよくあるわけなんですが、実はポモドーロ・テクニックではこういう場合(電話の場合です)、

  • 「いま手が離せない」と高らかに宣言する
  • 「あとで折り返す」と伝え自分の(今日のこのあとの)スケジュールに折電を加える
  • 引き続き1ポモドーロの作業を『集中して』行う

もしコレをやるとおよそ30秒〜1分。集中が完全に切れる前に入ってきた邪魔を排除することは問題なく可能、と言っています。ちなみに、これができなければ1ポモドーロは破棄(作業内容は破棄しませんが)、再度25分の1ポモドーロセッションをイチから始めるというのがルール。

 

そんなこと私にはできませ〜ん。

 

システムのメンテナンスとクライアントさまの引き合いは私の都合で後回しにはできませんし、どんな理由があれ「折り返す」のは要件をきちんと聞いてから。すぐ対応できるならその場で対応したほうがいいですからね。

問題点を解消することはできるのか(あくまでも個人的な見解で)

実はこの「邪魔」がポモドーロ・テクニックの最大の敵です。電話、周囲の人々(会社なら社員、在宅ワークだと家人や訪問者など)、生理現象(笑)、自然現象(地震雷火事親父だけでなく、在宅であれば雨と洗濯物、というのもある)などなど。実は「邪魔」は思っている以上に多いのです。全ての「邪魔」を後回しにすることは不可能です。

だからこそ、「ポモドーロを破棄して次のポモドーロを25分やる」ということを認めているわけですが、これって1日1〜2回くらいが精一杯。「重なるときは重なるもん」ですし、そういうときに限って集中力は切れやすいんです。

 それから、タスクを25分に区切るというのが思っている以上に難しいです。もし25分以内のタスク(もっと言えば5分くらいのタスク)が多いのであれば、1ポモドーロの中に複数のタスクをぶち込んで「1セッション」みたいにすればいいんですが、私の場合は25分で終わるタスクが少なくて。と言うより、1日1つのプログラムに取り組む、というケースのほうが圧倒的に多く、それを「強引に」25分に千切られてしまうとそのほうがよっぽど集中が途切れてしまう、ということにも気づきました。

それ以前からタスク駆動の作業には慣れていて、だからこそポモドーロ・テクニックが使えるかも、と思ってやってみたのですが、逆に作業に集中できないことが多くありました(きちんとポモドーロ数を増やせた日ももちろんあるのですが)。

もう一つ、1日のスケジュールと「大休憩」「小休憩」が今ひとつマッチングしませんでした。私はだいたい9時〜5時を仕事時間、昼メシは12時からとだいたい決めています。そう、私の1日の作業時間はおおよそ7時間*4。ポモドーロ・テクニックにスケジュールを合わせることができるなら良かったのですが、仕事時間の前後には予定が入っていて(家の仕事です。具体的に言えば妻の会社への送り迎えと風呂掃除・洗濯物取り込み・米研ぎ&炊飯器セットですね)、ここを動かすことができないので仕事時間は動かさない&スキマ時間で仕事をする、というスタイルになっています。

結局どうなったか(個人的な結論)

問題点は解消し難いものでした。特に、集中をするためのテクニックなのに集中が途切れやすくなるという本末顛倒な状態になってしまったこともあって、何ヶ月かやってみてやめることにしました。

ただ、前述の通り、もともとタスク駆動で作業をしていたので元のやり方に戻してみると、タスク一つに対する集中力が継続するようにはなりました。そして、任意のタイミングで作業を中断し、コーヒーやトイレ休憩から戻ってきて同じ作業を続けていても集中力は途切れないままでいることのほうが多くなりました。

失ったモノ

キッチンタイマーは買わずに、PCのアプリで(無料の)専用タイマーをインストールしたので、不必要なキッチンタイマーの出費はありませんでした。そういう意味でも特に失ったモノはなかったです。

得られたモノ

テクニックは採用していませんが、タスク駆動の仕事方法をもう少し極めねば、とは感じました。「作業のタスク化」は(いずれ記事にする予定ですが)GTD方式を基本にしていて難しくないのですが、その管理方法を長年悩み続けていて、徐々に形にしてきている段階だったりはします。

やってみる価値はあるか(おすすめ度)

あらかじめ言っておきますが、こういうテクニックって、「俺流のやり方は変えられないからテクニックのエッセンスだけ取り込んで」みたいなやり方で最初から導入しようとするのは無理です。絶対無理。というのを大前提にしています。

おすすめ度は★★★☆☆(3)ですかね。

1つのタスクが基本25分で収まる場合、(先に書いたように)「1ポモドーロ」に複数のタスクを詰め込んでタスクをこなす、というスタイルでできそうであれば...、もうちょっと実際の事例に合わせるなら、例えばミッションクリティカルではない細かいタスクが次から次へと入ってくるような仕事(スタイルにできる)ならばやりやすい。

大きいタスクを強制的に分割させるスタイルでも、とにかく集中するのが難しいという人であればこのやり方で集中力を高めるトレーニングをする、ということは可能かもしれないけれど、私みたいなワナに嵌る可能性はある。そもそも集中力を高めるトレーニングのために使うにはもったいないテクニックではある。*5

そもそも、失うものはないと考えれば気軽にやりやすいテクニックだと思うし、仮にトマト型のアナログキッチンタイマーを買って失敗したとしても可愛らしいトマト型キッチンタイマーが残るだけ。カップラタイマーにでもすればいいじゃないですか(笑)。*6

*1:ある調査では15分くらいが限度とか。

*2:本当に仕事とは無関係で申し訳ない。筋トレが趣味なもんでどうしても似たようなコンセプトが想起されるわけですよ(笑)。

*3:ポモドーロ(トマト)という言葉を使う由来が、トマト型のキッチンタイマーを使っていたから、ということだそうで。

*4:なにもなければ、ですが

*5:最近やってないけど、ダーツは集中力トレーニングには最適だと思っている。と言うかまぁスポーツ系は集中力トレーニング兼趣味になるよね。

*6:30分以上測れるタイマーなので、ゆで卵タイマーのほうが最適なんだけどね。