生産性向上委員会:目標でも何でもない「やりたいこと」のリスト化

前々回の投稿は年初なので仕事における今年の目標を書いてみたわけですが。

racchie.hatenablog.com

「仕事の目標」と言うと何やらMUSTなことを設定しがちで、年末には目標達成率みたいな指標も出して、と言うことをしなきゃ気が済まないでしょう。でも「そもそも仕事ではないしなあ」とか*1新年最初の仕事をしながら思いついてしまい、もっとゆるいレベルでの「やりたいこと」をリストアップしておこうと思いました。そしたらなにやら違和感を感じ始めたのでその顛末を書きつつ結局リストを作った話をしてみようと思います(そして今年のやりたいことリストも公開してしまいます)。

「やりたいことリスト」ってどっかで聞いたことあるなぁ

実はGTDの文脈で言うとこの手の「やりたいことリスト」は『いつかやる/多分やる(Someday/Maybe)』リストに相当します。と言うことは、「やりたいことリスト」はすでに作ってあるはずです。 と言うことで今年初めてGTDリストを開いてみます*2

おや?リストにはもうたくさんのタスクが並んでるなぁ...。さらに書き足すのか...。なんかヤだなぁ...。

「いつかやる」リストの(本来の)運用

GTDの運用の基本に立ち戻ってみると、

  1. 雑多な「今やるべきことではないけれどいつの日か」「やりたいなぁ、と思っている(程度*3の)」タスクのリストである
  2. リストの見直しは週次レビューのタイミングで、軽く見直す程度
  3. レビューのタイミングで「今がその時期である」と判断できれば、そのタスクをInboxなりプロジェクト/スケジュールなりに移動する
  4. (GTDの運用の基本として)リスト内のタスクが0になるような運用をする

ということなのですが、少なくとも1、2からわかる通り基本的にタスクの優先度は低い傾向があり、レビューも忘れがちです。でも、アイデア自体は生まれてくるわけで、結局ただただリストアップとアップデートを繰り返してしまい、タスクがたくさん増えてしまっていて、結局最初に私が思ったようににリストにタスクを増やすことを躊躇してしまう、またはリストの肥大化をさせてしまうことでリストの「レビュー」を怠ってしまうということにもつながってしまいます。もう少し基本のおさらいをしながらどうするのがいいのか考えてみたいと思います。

1. 雑多な「いつか/そのうち」やるリストである

そのままです。優先度と緊急性をそれぞれ縦横軸にとった4象限(クワドラント/Quadrant)で言えば、優先度も低く緊急性も高くない(だいたいは第4象限と呼ばれる)ところに位置するタスクです。Inboxから取り出したタイミングで「今これをやるべきか」という判断を下すときに優先度と緊急性を加味するとどっちも低いよね(今すぐやらなくてもいいよね)と判断されるものがリストアップされていくと考えています。ただしひとつ注意事項として、「今これをやるべきか」という判断が下せないものがこのリストに入ってきてはいけません。逆説的な言い方ですが、このリストに含まれているということは、いつやるかを決めない「やるべきこと」のリストなわけです。そもそもやる必要のないタスクはInboxから取り出した際にゴミ箱であったり移譲されたりするし、優先度が高いけれど期限が「今」でなければ「先延ばし(Defer)」またはスケジュール化されるわけですから、そのいずれでもないタスクがリストアップされていくはずです。

2. リストの見直しタイミングは週次レビュー/3. 「今がその時期」と判断できればInboxなどに移動

1の項目を考えてみると、優先度も低いし期限も特に区切られていないものなので、逆に言えば「いつ着手しても大丈夫」なタスクとも言えます。週次レビューのタイミングでの見直しを行うのは、翌週以降手が空きそうだから「いつか/そのうち」を「今」にしよう、ということをしようね、という意味と捉えてよさそうです。それぞれ期限/優先度を決めようと考えるタスクはこの時点でいったんInboxに移動し、そののち「いつかやる」リスト以外の場所に移動することになります*4

だから本来であれば「いつかやる」リストは増えたり減ったりする場であり、溜まっていく一方ということはあり得ないのですが、そもそも優先度が低いことなので日々の優先度の高い案件に追われてしまえば、優先度の低い「いつかやる」リストのレビューの粒度も下がるでしょうし、最悪やらない、ということだってあるのかもしれません*5

4. 各リストの項目が0になるような運用

GTDは最終的にはそれぞれのタスクが適切に「処理」「実行」され、リストから消えること(除:リファレンス/参考資料リスト)なので*6が目的なわけですが、そういう意味では「いつかやる」リストはあいまいな立ち位置にいるわけです。今はやらないけど「いつかやる」のでリストアップされていて、いつかはやることになるのでリストからは「やる」タイミングで消えるわけですし。ただ、その「やる」という判断がされないままでいるとずっとリストに残ったままになるので、週次レビューでやるかどうかの判断をしようね、という運用をするわけです。

2020年やりたいことリストの管理はどのように行うか

繰り返しになってしまいますが、本来GTDにおいてすべてのリストは常にアップデートされ、スリム化されているべき、なんですが、「いつかやる」リストは他のリストに比べると随分ゆるい基準でアップデートされる(されてしまう)傾向があるのですが、実際には他のリストと同様の基準でアップデートされるべきで、ユルさとは無縁なリストなわけです。

本題に戻りますが、今年の「やりたいことリスト」はもともと優先度も低いですし期限も特にありません(仕事でやることではないから)。内容によっては「死ぬまでにできたらいいな」レベルですので、タスク処理の運用を考えるとおそらく(そして今までの年初にやりたいと思っていたタスクもそうなのですが)「いつかやる」リストの中に埋もれている気がします*7。たぶん毎年「やりたいことリスト」は増える気がするのですが、リストに加えるのもちょっとなぁ、と思ってしまいます。そこで基本に立ち戻って原典を読み直してみると、一ついい感じの方法を思いついてしまいました。

[提案]階層化する

実は私の「いつかやる」リスト(Trello版)は階層化構造にしていて、タスク系のリストとプロジェクト系のリストになるように分割しています。(週次)レビューをしているときに「プロジェクトと言うほど大きくないけど今やらなくてもいいよな」という、一気にやったら楽かも、と思えるようなタスクがたまに混じりこんでいることに気づいて、だったら「いつかやるプロジェクト」と「いつかやるタスク」に分けておこう、ということでそれぞれの下にタスクがリストアップされているのですが*8、同じように「年度初めのやりたいことリスト」項目を作ってその下にリストをそのまま格納してしまう、というやり方を採用してみたいと思います。

想定している運用は、リストはリストとして残しておき、週次レビューのタイミングでもしInboxに移動できるものがあればそのリストにあるタスク/プロジェクトは取り消し線で消してしまう、というものです。デジタル管理なので完全削除でもいいのですが、仮に「やりたいことリスト→Inbox→ゴミ箱」ということをした履歴が分からない状態で数年後、同じやりたいことリストに含まれているタスク/プロジェクトが同じであった場合、例えば今年「ドイツ語を習得したい」というのがタスクとしてあって*9、やっぱり無理かなと思って完全削除をしてしまうと、なぜ前回削除したのかという経緯が追えなくなりますし、仮にタスク(カード)がアーカイブされていたとしても、それがいつのモノなのかがわからないと(いつ削除したか、ではなくいつ発生したのか)、仮に何度か同じ「やりたいこと」を思いついてしまった時に「あれ?なんでこれをやらないと判断したんだっけ?でもやりたいんだけどなぁ...」という過去の判断を疑う羽目に陥る可能性があるからです*10

「いつかやる」リストの性質上、今なんとなくやるべきだな、と思っていることが数年後には時代の変化やなにやらで「もうやらなくてもいいかな」と思えることがあったりします。事例として適切ではないかもしれないのですが、『タピ活をする』というタスク/プロジェクトを2020年に「いつかやる」リストに入れたとして、時間がなくて数年着手できていなかったとします。もしかすると数年後はタピオカブームは去っているかもしれないのでその時点では「今さらタピ活?削除しようぜ」となるかもしれないのですが、リバイバルが来ることも当然考えられるわけで(事実今のタピ活ブームもリバイバルですから)、更に数年後またタピオカブームが来た時に「タピ活をする」というタスク/プロジェクトをしたいなぁ、と思うかもしれません。ここで過去の履歴を追うことができれば、 * なぜ過去のタピオカブームの時にタピ活をしなかったのかという理由 * 今回タピ活をしたいと考えた理由とその優先度設定の(過去の設定との比較による)検証 * 「タピ活」、本当にしなきゃダメ? などの検証が容易になるはずです*11

「結局は取捨選択なんだなぁ」と思うのですが、たまたま新年を迎えたタイミングで、「そう言えば新年も迎えたことだし今年はいろいろチャレンジしたいなぁ」と、元から積み上げてあるリストのブラッシュアップをしようとしても、たぶん削除はされないはずなので、いったんリストを作っておいてリストをそのままリストに入れて、という運用の方が分かりやすいんだろうなぁ、と考えてこの運用を今年試してみようと考えた次第です。

2020年のやりたいこと

と言うわけで、ざっくりですがやりたい理由も含めて。

Youtubeチャンネルの開設

これについては前回の投稿で、思いつきとして思わず書いてしまった(そして計画的に投稿してしまった)内容の一部ではありますが。 www.youtube.com 実験的な動画を作ってみたいかな、という気持ちは結構前から持っていて、A Day in Lifeでもモーニングルーティンでもいいんですが、きちんとした映像作品となるようなモノは作ってみたいとは思っています。ちょっと大げさな話で恐縮ですが。ネタの引き延ばしみたいで申し訳ないのですが、このあたりツッコんだ内容を来週投稿しようと思います*12

コワーキングスペースの積極的な利用

仕事の目標としても特に明記はしていないのですが、「在宅」の仕事に限らず仕事を受けていこうかな、ということは考えています*13。とはいえ今やっている業務もこなす必要はあります。カフェでもいいんですが、やはり落ち着いた環境で仕事をしたいとなるとコワーキングスペースは選択肢の一つとして挙がってきます。もう一つ、「コワーキングスペース」を軸にした仕事をしてみたいと考えていて、その情報収集のためにも、という側面はあります。具体的に何をするのかは全くのNo Ideaですが、今までよりは積極的にコワーキングスペースの利活用をしてみようと思っています(これまではカフェで仕事をすることが多かったので...)。

ドイツ語の習得

個人のFacebookページには新年の個人的なやりたいことの一つとして書いてみました。最初に思いついたことですね。 正直なんでもいいんですが、外国語の習得はしたいなぁ、と常々思っているところで、この数年はなぜかドイツ語がブームです。ちなみに習得を目指したことがある言語(もちろん習得できていない)は、ロシア語、スペイン語、韓国語、中国語、ベトナム語かな。ドイツ語も少しかじったことがあるかもですね*14。 外国語の習得に関しては変わった趣味だなぁ、と私自身も思っていますが、中学校の頃の英語の先生に多大な影響を受けています。その先生は学校になぜかロシア語の本を持ち込んでいて、暇があれば(なんなら授業中生徒が教科書の黙読をしている最中ですら)その本を読んでおられました。その本について尋ねると、「うん、ロシア語を勉強しているんだよ。」という答え。別にロシア(当時はまだソビエト連邦ですが)に行きたいとか何とか、ということでもなく、単にロシア語を覚えたい、という単純な理由である*15、という言葉に感銘を受け、当時学校の先生になりたい、という漠然とした夢が、外国語(英語)教師になりたい、と多少具体化したのですが、同時に「外国語」というものへの興味にもつながったわけです。

こんな感じですが

挙げてみようとは言ったものの大き目なプロジェクト系が3つだけ。まぁそんなもんですよね。でも今年は仕事に限らず全体的に地固めの年かな、と考えていて、仕事面ではもともと不安定な基盤を安定させ、得られる収益も安定させる、そうすることで全体的に安定した生活になる、というところでしょうか。そして、他にもまだここには挙げていない、もとから「いつかやる」リストに積んであったプロジェクトやタスクも結構残っていますので、そっちも片付けていかないといけません*16

そういえば「生産性向上委員会」ってブログタイトル久しぶりに見たなぁ

カミナリ(お笑い)のたくみくんがこのセリフを言ったら一発ぶん殴られているところですが、投稿のテーマとして「生産性」というのも少し増やしていきたいんですよね。いろいろと試行錯誤していますがなかなか効率が上がってくれないんで困ってます。やり方見直さないとなのかな...。

*1:それを言ったらCybertruckの件はどうなるのか、なんですがまぁ書いて公開しちゃったので...。

*2:運用は以前の投稿でも書いたようにTrelloを使っています。

*3:「仕事の目標」がMUSTだとすればまさにMaybeレベルのタスクになるはずです。

*4:もちろん別の案件(タスク/プロジェクト)も同時に入ってくるため期限/優先度を下げざるをえなくなり、また「いつかやる」に戻す、ということは可能性としてないとは言いませんが、GTDの運用上InboxがFIFOなのでそれは緊急避難的/イレギュラーな運用であるとは思います。正しい運用は「先延ばし(Defer)」に移動ですよね。

*5:私自身の例で言えば、正直なところ普段の週次レビューでは忙しいときは全く見ていません。

*6:まぁ参考資料も古くなれば廃棄されるべきですが...。

*7:ちなみに仕事の目標に関してはGTDとは別管理と言うかプログラム言語の習得以外はタスクではないので異なるロジックでの管理をしています。

*8:Trello上では一つのリストの中にタスクカードで仕切りを作っているだけです。

*9:後でも書きますが2020年はドイツ語の習得をしたいなぁ、と思っています。何年か前から考えていたんですが...。

*10:と言うか、そういう経験をしているからです。

*11:『タピ活』を小馬鹿にしたような書き方ですが、タピオカドリンクの「飲み歩き」は昨年夫婦で八王子でやりまして、好みのお店もいくつか見つけました。「活」は言いすぎですが飲み歩きとして考えれば楽しいですよ。ラーメン屋の食べ歩きと同じ感覚です。

*12:裏話をすれば、ちょっと長くなりそうだったので新しい投稿を作って翌週分として加筆修正しただけなんですけどね。

*13:「一定の売上を立てる」という目標を達成するためには在宅の案件にこだわってはいられないという事情があります。

*14:英語が入っていませんが、日常レベルであれば使いこなすことは一応できます。習得を目指して習得できた唯一の外国語です。

*15:先生の自己申告ですし、その話を聞いたのは中学生の頃でしたので、本当にそうなのかは分かりません。ロシア人お姉ちゃんと仲良くしたい、という理由だって考えられないわけではないですからね...。

*16:これは仕事の目標として掲げている「積み残しを減らしていく」ことの一環でもあります。