マーケオタクのボヤキ:SNSへの書き込みとソーシャルハッキングとか

私のSNSに対するアプローチは若干クローズ寄りで、全く見ず知らずの人とつながることのないように心がけています。SNSのプラットフォームによって閾値を変えていますが、一番クローズなのがFacebook(リアルに顔を合わせたことがない場合は基本的に友達として認めない)、逆にオープンなのはTwitter(全くの見ず知らずでも相互フォローをすることが多い)、という感じですが、もう10年以上になりますがそんな感じでSNSを楽しんでいます。

で、ふとある人の書き込みを見ていて思ったのですが、たぶん「身バレ」防止のためだと思うのですが、『訪問した場所をボカしつつ訪問したことを書き込む』という行為をしていて、「それってお互いに意味があるのかなぁ?」、と考えてしまいました。 もう一つ「身バレ」という観点で言うと、何かのイベントやセミナーなんかで講師/インストラクターをする人が、顔を隠してセミナー告知にデカデカと写真に写っている(顔の隠し方は決まって『絵文字(スマイル)』)というのも、意味がわからないことだったりします。

訪問した場所をぼかす投稿

全くどこであるかがわからない、というのであれば、わざわざ特定しようとも思わないのでいいんですが*1、中途半端に「〇〇駅前で美味しいソバ屋ハケーン」とか言って店の看板を巧妙に隠しつつ、近隣のお店も写るようになんとかカモフラージュしていると、どこなんだろうなぁ、と気にはなってしまいます。この時点では、そのお店側としても場所の検索をしてもらえたり、来店につながるアクションを起こしてもらえるのでまぁよしとしましょう。 しかし、その人(お店ではなく、お店をぼかした投稿をし続ける人)はいつも来訪した店をぼかしているわけで、いちいちその人が来訪したお店を検索しようとは思わなくなっていくわけです。仮に大親友であったとしても、「いつもなんかいい感じのお店行ってるよね」くらいの認識はするし、なんなら「今度飲みに行くときに連れてけよ」、くらいは言うかもしれませんが、特に調べることはしないわけです。

当人にしてみたら、SNSの性質上、身バレを避けたりとかお店への迷惑を考えたりとかするのかもしれませんが、当人が絶大なインフルエンサーでもない限りお店に迷惑は掛からないですし、逆にお店にとってみれば少しでもお店の情報が拡散してもらえればうれしいというケースの方が多いわけです(もちろんそう思わない方もおられます)。

顔を隠す講師の投稿

女性に多いですが、私の意見は(よほどのことがない限り)顔出しをされた方がよろしいかと思っています。ちなみにご自身の容姿に自信がないというのは理由としては却下です(笑)。 もし仮に、そのセミナーに行ってもご自身が顔を隠しておられるのであれば(その時に何で顔を隠すのかは大変気になりますが)まぁ「特段の事情」があって顔を隠さざるを得ないのだろう、と思いますが、オフラインでは顔を隠すことなく普通に話をし、ネットにだけは顔出しNG、とか、ジャニーズかなんかですか?と言いたいです*2。 もちろん、身バレすることでストーカー被害に会うという可能性は否定できませんし、特に女性の場合ストーカー被害は大きな問題だとは思っています。が、それでも顔出しはした方がよいかな、と思うのは、セミナーなどのイベントの信ぴょう性が顔を隠すことで、もっと言えば、ネットでは顔出しをせず、オフライン/リアルでは顔出しOKとするダブルスタンダード状態だと、集客時に講師の人柄を信用できない可能性が出てくるわけです。すでにご存じの方であればそれで問題はないわけですが、新しく顧客を呼び込む際には顔が見えている、またはオンオフどちらでも見えない方がその人に対する信頼性は高いので、中途半端な顔出しNGは集客につながらないと考えています。

参考までに:ROLAND『様』のサングラス

ちなみに、とあるテレビでROLAND氏(カリスマホスト)がテレビではサングラスをかけたままでいる理由として、「本業はホストであり、テレビを見てお店に来てくれればサングラスを取った姿が見られる、という仕組みづくりです」といった内容を話しておられました。コレ、マーケティング的には大変理にかなっていて、マスメディアと言う誰もが見ることができる場所でアピールをし、かつ自店舗(ROLAND氏の経営しているホストクラブ)への誘導をする、というパターンで、デジタルマーケティングであれば最近流行りのO2O/OMOと同じやり方なわけです。しかし、これはROLAND『様』だからできることであって、その辺のオッサンオバサンが「顔出しはリアルイベントだけですよ」と煽ったところで、そもそもイベントは顔目的ではないわけで*3、だったらご自身の親しみやすいお顔をお見せになられた方が相手の安心感も高まるというものではないのかな、とは思いますがいかがでしょう。*4

やるなら徹底的に、がマーケティングの基本

中途半端に情報を隠すのがマーケティングの王道、とも思われがちです。例えばテレビ番組の「続きはCMのあとで!」みたいなパターンであったり、ネットの記事で大事なことが後の方に書かれていて途中は全く無駄な字数埋めの「〇〇だったり△△であったりなかったりします」のオンパレードだったり、要は小出しにするのが期待値を徐々に上げていく方法であり、購入意欲につながると思っておられる方は多いのではないかと思いますが、でも、正直その手はもう見飽きた、と皆さん思ってませんか? 小出しにするパターンは実はその後ろに「ストーリー」が組み込まれていることが多いのです。特にテレビはその例にうってつけで、ドラマであれば「いいところでCMが」となるわけですが、バラエティーでも特集と特集の間ではなく、特集コーナーの合間にCMを入れ、更に言えば特集と特集の間はできるだけ切れ目なくすることで視聴者のチャンネル変更のタイミングを逸させるというストーリーを作っているわけです。 ネットの記事はそこまでできているか、というとそうではなく、小出しにするのと同時に「文章構成」がSEO的に重要視されているため(無意味な言葉の羅列で文字数を稼ぐことで「文字数が多い=情報量が多い」というSEOの弱点が解消されて現在の主流が「文章構成」になっている)、文章の目次を追えばサイトを全部見なくても必要な情報にたどりつけるのであまりうまくいかないとは思いますが、それでもきちんとした文章構成ができていれば内容自体も(それなりに)実のあるものになるはずで*5、小出し、と言うよりは順序立てた情報の出し方なんですが。 少し話がずれましたが、情報を小出しにして滞留時間を延ばすという方法を取るくらいなら、きちんと出せる情報を出し、それが「わかりやすいところ」に配置され、見やすく作るのがやっぱり基本です。

*1:世界のどこかもわからないのに写真数枚で場所特定をしろ(EXIFが消されていることを前提)、と言われても作業コストが見合わないんですよね。

*2:ジャニーズの場合、ネットにおける肖像権の問題がクリアでなかったからネットでのタレント写真の使用を禁止していた、と聞いています。最近それが「解禁」になったということは、肖像権の問題がクリアできたのか、あまりにも莫大な問題過ぎて解決が難しいと見たのか、それはわかりませんが。いずれにせよ、肖像権という話で言うならご自身をジャニタレと同列で扱うのは、肖像権の重さは同一だとしてもちょっと理由としては過剰な言い訳に聞こえてしまいます。

*3:ROLAND氏はホストであり、顔≒自分自身が商品なのだから、顔を見せるタイミングが限定的であることが商品価値につながります。ご自分がイケメン/美女/アイドル級だと自信をもって言え、かつ他者の意見もそうならこの手は使えなくはないですが...。

*4:そのテレビ番組、日テレの「Another Sky」でしたが、たまたま見てROLAND氏の評価がガラッと変わりました。ただのビッグマウスのイケメンくらいにしか思っていませんでしたが、話の内容や話し方など、随分「頭のいい」子だな、と感じました。また、運動部出身(サッカー部で全国大会にも出たとか?)だからか考え方も若干「体育会系」で、負けず嫌いで努力家な一面が見え隠れしていたりのいわゆる「ギャップ萌え」要素も多く、あぁこりゃ人気者にもなるわね、と思いましたし、私もファンになりました。だからと言ってROLAND氏の八王子にあるタピオカ屋には行きませんが。隣の店の方が好みなんだもん...。

*5:「タレント〇〇ちゃんの彼氏は?出身地は?」みたいなのでもそれっぽくはなりますよね。余談ですがあの手の記事はちょっと空白行が多すぎです。空白行もページ滞留という観点から言えばスクロールの手間を増やすことでサイトからの離脱時間を延ばすという「SEO対策」ですけどね。