今さらスティックPCを有効活用してみる

ガジェットネタもたまに挟むと面白いんですかね。基本的にはほぼ日常的に中古だのジャンクだのを買ってきては適当にいじっているのでガジェットネタには困らないんですが、最近机回りなどの片づけで使っていなかったスティックPCがあるので紹介がてらやらかしてみようかと思います。

スペック

kakaku.com

Diginnos Stick DG-STK1*1です。スペック表をみると結構貧弱なマシンという印象を受けます。Atom CPUでメモリは2GB、ストレージも32GBしかありません。が、侮ることなかれ。 同等のスペックのデスクトップマシンなんてものがあれば確かにダメマシンという声が聞こえてきますが、それなりのタブレットPCでだいたいこのスペックです。例えばこれとかこれとか。Atomというと昔の「ネットブック」のイケてない感をどうしても思い出しますが、最近の*2Atom CPUはちょっとクセが強めですが結構使えます。

OSはWin10

もとが8.1(32bit/Home)でしたのでアップデートで10 Homeにしています。普通に動いてくれています。欲を言えば64bitでProで、と思うのですが、そもそもAtomが32bit OSしか認識してくれません。 ちなみに、以前OSの入れ替えを画策したことがありました。手順がめんどくさいわりに失敗が多く、インストールに成功したのはWin10 IoT Coreだけだったはずです。試したのは確か...、 * Android Things * Ubuntu 16.04(64bit: この作業と調査でAtomが32bit OSでなければダメという確信を得た) * Hackintosh かな。ことごとく失敗して、最終的に(IoTではない)Windowsに戻したんですが、Windowsで十分安定して使えるんですよね(ただし少し改造というか手を入れる必要はあります)。

「使えない」と思う瞬間はすぐそこにある

しかし、実際に通常の使い方で使ってみると、「使えないなぁ」、と思うことは結構多くて、かと言って対策の施しようがない、というわけでもないというクセのあるマシンです。

『遅い!』特に使ってると徐々に遅くなる

電源を入れるとすぐに起動、パスワード入力まで数秒(言いすぎかな。10秒前後?)。パスワードを入力してデスクトップが表示されるのも数秒(これは10秒かからない)。そこから何かアプリを立ち上げてもすぐに立ち上がってくれる、のですが、起動したり閉じたり、と作業を続けていくと徐々に反応が鈍くなっていきます。 もちろん、スペックがスペックだけに、立ち上げているアプリの数が多ければ多いほど反応は多少鈍くなります(メモリ不足による)。が、そう思ってアプリの起動数を少なくしていても同じような状況になってしまうのです。 この原因は実はサーマルスロットリングによるもので、CPU(というか端末全体)が発熱し、ある一定の温度を超えるとCPUのクロック数を落とし、発熱量を抑えるという仕組みにあります。

で、苦肉の策

コレです。あくまでも暫定的ですが、 f:id:racchie:20191023114959j:plainつまりは強制空冷です(笑)。すごくヤバそうなにおいがしますが、実はそうでもなくてですね。 そもそもなぜ「サーマルスロットリング」なる機能があるのか、という基本に立ち戻って考えてみます。温度がうなぎ登りになることでマシン自体の破損を防止するのが目的なわけです。いわゆる「熱暴走」を防ぐとか、私自身一度経験がありますが熱によるPCの死亡なんかも*3ありますが、それを防ぐためにクロックを落として発熱量を減らすわけで、熱が出ていなければ定格クロックで(もちろんCPU的にはフル稼働だとは思うんですが)通常運行をしてくれるわけです。 であれば、冷やしていればサーマルスロットリングが起動せず、フルスロットルで稼働してくれる、という理屈です。同じことを考えている方は多いようで、私は気が向いたときにファンに近づけて冷却しているだけですが、ヒートシンクとファンを増設してしまったツワモノもおられます。

用途をきちんと決めていれば使える

非IT系の友人に、突発性の「突然パソコンが欲しくなる」病にかかっているヤツがいて、半年から1年に1度くらい「パソコンが欲しいんだけどどれがいいんだろう」と私に相談してくるんです。そいつはとにかくなんでもパソコンで何かをしたい、というだけなので、だったらスティックPCとかタブレットとかでいいじゃん、と思うのですが、買って失敗するのが嫌なようで、結局相談を受けても「うーん、また今度にするわ」と数日後にお熱が冷めるので次の発病がいつになるか楽しみにしているんですが。 今のご時世、パソコンがなければできないことというのは実はそれほどなくて、ちょっとしたネットでの調べものや動画・音楽再生はスマホがの方が早いし楽という時代だったりします。そういう意味では一般家庭においてパソコンを買うというのは今さら感しかないのですが、それでもテレビで動画を再生させたいとか、やっぱりタッチパネルのヌルヌルした入力方法よりキーボードでカツカツカツカツったーんってした方が楽だよね、とかいうならこういうPCが向いていると思います。 もっとも、2019年現在スティックPCの新製品が出ているには出ていますが種類も少ないしマニア向けという気はしますね。サブPCとして使うという割り切った目的があって、発熱による速度低下とかストレージの圧倒的な少なさとかそういった問題を解決できる、または共存できるならいいんですが、そうでないと「安かったから買ったけど騙された!」ということになってしまうんじゃないでしょうか*4

そんなことを書いている間に

実は半年ぶりくらいに我が家のスティックPCのWindows Updateをかけ、ついでにクリーンアップだったりソフトウェアの入れ替えなんかをしていたんですが、まだ終わらない...。今最後の1903アップデート中で、これが時間かかるんだよなぁ...*5

*1:販売していたのはDosParaですが終売商品なのでリンクはカカクコムです。

*2:といっても2015年ころの話ですが。

*3:忘れもしない去年の夏、Mac miniが壊れた事件ですよ。

*4:昔は吊るしで買ってそのまま使えたのですが、それでは満足できない、でもカスタマイズとか改造とかできない、という人がこういうのにあたって騙されたのなんだのと仰るのかな、と思ったりはします。ちょっとしたことなんですけどね、使い勝手を圧倒的によく変える手法ってのは。

*5:後日譚:おそらく空き領域がないことが原因でアップデートに何度か失敗しました。ユーザディレクトリのファイルを別ドライブにバックアップし、ユーザを削除して容量を空けてなんとか無事アップデートを完了させました。