しがないフリーランスの生存戦略

こんな記事にインスパイアされました。

anond.hatelabo.jp

自分の息抜きも含めて、ちょっとライトな感じで書いてみますね。

総論

「意識高い系」の反対は決して「意識の低い人」ではないと思っています。そもそも「意識高い系」という言葉自体が揶揄を含んでいるわけで、ごく普通の人たちはみんな「意識高い系ではない人」という「意識高い系」の反対にいる人たちだと思うんですよね。だから、自分が書いている内容は、たぶんその辺にたくさんいるフリーランス(エンジニア)と何一つ変わらない気はします*1

で、生存戦略として普段どうやって仕事を獲って*2、どうやって生きているのか、ということを元記事では書いていたのでそのパターンに合わせてみたいと思います。確かによくある「生存戦略」系の記事はたくさんの記事が並んでますもんね。個人の仕事のやり方紹介ならそんなにたくさん記事を書けませんから。

日常

ヨメを仕事に送り出してから会社に迎えに行くまでがだいたい仕事時間、と決めています。会社員(介護職)なので、8時半~5時半とかそんな感じ、少し残業があるかな、という程度の、おそらく「しがない介護職」なのでしょう。介護業、特にヨメの勤めているデイサービスセンターでは珍しく土日休みなので(代わりに平日の祝日は休みではない)、私も同じように1日8時間くらい労働をしていて、土日休みという生活になります。

営業戦略(仕事を「獲る」)

営業マンの経験もあるので、仕事は基本的には降ってこないもの、自分で「取ってくる」もの、と理解をしています。新規の営業フェーズは基本的に『狩り』だと思っていて、どのようにして自分の顧客にできるのかを考えつつ、更に案件やクライアントの「いろんな」継続性も考えたりして、『このクライアントは獲る』『このクライアントはやめておく』という判断をし、獲ると決めたら積極的に獲りに行く、というスタイルです。

エンジニアという職種柄、どうしても顧客折衝が苦手な方も多いようですが、それこそ生存戦略という点ではこのフェーズでしくじるとずっと新規顧客を探し続けなければならないとかいう事態にもなりかねず、できるだけ仕事を長く続けて提供してくれる上顧客を見つけるためにはこのフェーズが大切だったりします。

顧客とのコミュニケーション

では、顧客とコミュニケーションを密に取っているのか、と言えば実際にはそうでもなく、「具体的な案件が動いていなければ放置プレイ」を徹底しています。いわゆる営業的な考え方で言えば、新規顧客で最初にしなければいけないことは「信頼を得ること」であり、業務遂行は最悪後回しにしてもいいわけです*3。 一度信頼が得られれば、次にそのクライアント「さま*4」からいつお仕事をいただけるのか、たまに御用聞きでもしながら待っていればいいわけです。そういうクライアントさまを複数持っていれば既存営業に時間をかける必要もなくなるわけです。

コミュニケーション手段:電話

「エンジニアは電話が嫌い」だと思っています。私自身もあまり好きではありません。そもそもエンジニアは人と会話するよりコンピュータと会話することの方が楽だと思っています。だからコミュ障とか言われるんですが...。

それでも私は電話を多く使う方ではないでしょうか。案件ベースで考えても最初のコンタクトについては新規・既存の別なく電話で話を聞く確率はかなり高いです。直接会って話をするケースもそうなのですが、「話をしたい」ケースのほとんどが、まだ案件がまとまり切れていない状態なので、「あとでメールして」とか言っても返事が返ってこないことの方が多いわけです。だって、まとめ切れていないし技術的ないろんなことを聞きながら相手は仕事を作ろうとしているのにそのあたりのインプットをこちらから一切せずにコミュニケーションを遮断したらそりゃ返事もくれないですわ。

コミュニケーション手段:メール/チャットアプリ

電話である程度要件をまとめてもらって具体化してきたら「ドキュメントの共有」という名目を振りかざしてメールやチャットなどに切り替えるようにしています。このタイミングでの「言った/言わない」は問題になるので、細心の注意を払いながら、例えば電話で追加注文的なことがあったとしても「同じことメールしておいてくださいね」であったり、こちらからメールを送って「電話でこのようなオーダー受けましたぜ」と念押しするとか、とにかくエビデンスを残す、ということを意識してメールやチャットを使います。

それにしても、チャットアプリについてはいろんな種類が出過ぎていて困ります。Slack、Chatwork、(Salesforce)Chatter、LINE。ほかにもいろいろあるのでしょうが、もうありすぎて訳が分からない。これは別のところでまた話をしたいのですが、コミュニケーションツールとしてのチャットアプリは「使って/使いこなしてなんぼ」なのであって、何だっていいというのが正直なところなのですが、チャットアプリを提案する側は今一つそのあたりを理解せずにとにかく「みんな使っているから使いやすい」と提案するんですよね。使い方を提案しろよ、と思うんですが...。

収入とか

元記事で仕事の大小について言及があったのですが、なんとも言えないなぁ、というのが正直なところです。もちろん、大きな案件を複数抱えてある程度固定された収入を定期的に得られる方がシステム屋としては楽なんだろうと思うのですが、かと言って大きい案件をやっている間に収入がなくなることを考えれば、どこかで細かい案件を挟みつつの、と思うけれど、細かい案件はそれだけ手がかかるので大きい案件に携われない、というジレンマがあって...、という。

結局借金に手を出して、借金で首が回らず(ちなみにイマココ)、借金を払うために働く羽目になり、という悪循環に陥るわけですが、それでも借金のために働けるだけは良しとしなければ、とは思い。これができなくなると私は個人事業主なので残された道は自己破産なのだから。

各種ツール

PCについてはことあるごとに書いているので今回は言及を避けます。ソフト系の話をさらっとしておく程度で。

私は他の人に比べればかなりクラウドツールを多用しているのではないかな、とは思っています。ただ試すだけではなく、実際に長きにわたって使うことが多いです。メリットとしては、導入の初期費用や運用費の節約に尽きます。特に無料で使えると範囲内でどうやって最大限機能を使うのか、と言うことを考えながら使うようにしています。 * freee(会計ツール) * Hubspot(SFA/営業支援ツール)  ※既存営業はそれほど手をかけていませんが、現在の「営業」状況を把握するために使っている感じです。 * GmailGoogleドキュメント&Googleドライブ * Microsoft Office 365  ※メインはインストール版Officeが5台で使えるというサービスですが、もう一つ、OneDrive For Businessの容量1TBは大変魅力です。 * Trello * Backlog(nulab) * GitHub このうち、現在有料で使っているのはMicrosoft Office 365とfreeeの2つ、あとは無償の範囲で利用しています。

それぞれ、使い始めてから結構経つのですが、とりあえず無料で使える範囲で使って、どうしても限界が来た時に有料に切り替えるというパターンです。ちなみに今はもう使っていませんが、Todo管理ツールとして、Remember The Milkを使っていたことがあります。

www.rememberthemilk.com

まだスマホが一般的でなかった頃から使っていて、たぶん「サブタスク」の概念が使いたくて有償プランに申し込んでいたはずなのですが、他にも似たような管理ができる無償のサービスを見つけたんだったかなんだったか忘れましたが、「乗り換え」を理由に退会しました。Todo系のアプリをあまり多く知らないのですが、RTMはとりあえずTodoやってみたいという方にはおススメです。

まとめ*5

GTD的な言い方をするなら、「仕事は完了させてなんぼ」であり、そういう意味では生き抜くためには、意識が高かろうが低かろうが、とにかく何でもいいから仕事を得て/獲って、その仕事をさっさと終わらせて、金をもらって次の仕事をまた探して、というサイクルを複数回し続けなければいけない、ということなんだと思うんです。「在宅フリーランス」なんてカッコいい言い方をしていますが、用がなければ家から出ることのない人間なんて世の中の人から見ればひきこもりでしかないわけです。引きこもって仕事をすると決めたからには、引きこもっていても仕事をきちんと得られる仕組みをまず作ること、そしてひたすら引きこもって仕事ができる環境を整えて、無駄な出費も抑えて*6、とにかくメシを食うためにヒイヒイ言う、というとてつもない泥臭いことを引きこもってやっているわけです。

意識高い系の方たちがどう思ってらっしゃるかわかりませんが。

*1:その辺にたくさんいる、と思っているのですが、今のところ「あ、私もフリーランスのエンジニアなんですよぉ」という出会いの回数が2~3回くらいしかないのでよくわからないです...。

*2:仕事を得ることを「獲る」と表現するのは微妙に意識高い系のやっていることのようで嫌なのですが、これはポリシーなので。後で述べます。

*3:もちろん業務遂行をすることで信頼が得られるのですが、「業務遂行した」と言っても、納期が遅れたとか業務中のコミュニケーションが不足していたとか、マイナスされるポイントも多いので、むしろそういう点に気を付けて業務遂行を粛々とすることで信頼が得られる、と考えた方が良いのではないかと。むしろ、できないことをできないまま放置したりお知らせしなかったりで納期を遅らせたりすることの方が信頼は得られにくいわけです。以上自分の経験からお話をいたしましたよ。

*4:この時点では上顧客ですから「さま」付けしてもいいですよね。

*5:何をまとめればいいのか確かにわかりませんが...。

*6:Macbook Proが無駄な出費だ、とは言いませんが、つい先日福島に仕事をしに行ったとき、「フリーランスの方ってMac(book Pro)を持っているイメージでしたけど違うんですね(笑)」と言われました。「なんとなく」「それっぽい」感じでドヤラーするためにおしゃれなカフェでおしゃれなPCを使う、という理由でMacbook Proを買う人がいるのかもしれないなぁ...。ちなみにその時に開いていたノートはこのブログでよく登場するジャンクのDellです(笑)。