マーケオタクのボヤキ:D2C

いつのまにか「D2C」の世界に自分自身が置かれていたことについ最近になって気づきました。もっとも、そういう言葉の世界にいたことに気づいたのが最近というだけで、結構前からeコマースの世界には参入していますし、eコマースにおけるマーケティング戦略という話もずいぶん以前から考えてはいたのですが。

「D2C」という流行り言葉(バズワード)

D2Cとは、と調べてみると、意外とあっさりとした答えが返ってきます。

ja.wikipedia.org

eコマースサイトを使った自社メーカーの直接販売、というのが定義なのでそれ以上わかりやすくしようがなく、結局どういう事例があるのか、とか似たような言葉(B2Cとか)との違いを説明してみたりとか、無駄な情報を付け加えたサイトも多いですが、要はオンラインの直販なわけです。

で?

B2x(C/B)との違いがあるとすれば、販売経路の違いというか、自社がBであれば、という話ではあるのですがB2Cの一つの手法としてD2Cがある、という見方はできるわけです。換言すれば「販売チャネル(経路)」を増やしたということです。もっとも、小規模なメーカーさん、例えば地元の造り酒屋さんみたいなところが問屋または小売店直に卸すであったり、販売を受け持ってくれる道の駅のようなところに持ち込んでみたりということはできても直接顧客に販売する(=直販)ためにはいろいろと問題もあるので、それをeコマースプラットフォームを使ってなんとかしようよ、というのがD2Cの本質部分だと私は理解をしています。

自分のビジネスに置き換えてみる

システムエンジニア、という領域でフリーランスの仕事をしていますのでその体で話を進めますが、私自身もモノを作って売る仕事をしていることになりますが、基本的にはモノを作って欲しいと考える企業さまとの取引を行うわけです。コレはB2Bの枠組みになります。また、自分でスマホアプリを作ってコレを販売する、と言った場合は実はD2Cの枠組みでの販売をすることになります。

自分のビジネスにおける「B2B

「企業間取引」ですよね。私の場合はプロダクトの販売ではなくてサービスの販売(役務の提供)ですが、いずれにしても企業間での契約*1として業務の委託や請負を行っています。

自分のビジネスにおける「D2C」

最近は積極的に行っていませんが、自分で企画してアプリを作って販売するとか、LINEのスタンプ販売なんかはD2C領域のビジネスモデルですよね。いずれも共通するのは販売のためのプラットフォームを介していること。クラウドソーシングのプラットフォーム経由の受注もそういう意味ではD2Cに親しい仕組みですよね。

D2Cは結局特殊な/新しいモノなのか

マーケティングを少しかじっている人、特に「対顧客」マーケティング(≒ダイレクトマーケティング)の知見があれば、「2C」の部分として同じであることはなんとなく理解ができるのではないかな、と思います。もちろん、最終的な集客先が店舗ではなくeコマースサイトであることが大きな違いではあると思います。

マーケティング手法は特殊ではない

対顧客(2C)のために行うダイレクトマーケティング的に言うなら、ターゲットの選定であったりオファーの出し方、タイミングやクリエイティブなど、ほとんど同じ感覚でマーケティング施策を打てばいいと考えるはずです*2

ただ、クリエイティブについては「似ている」部分と「(アナログな媒体とは)大きく異なる」部分がありますし、『店舗づくり』という点でアナログ(=実店舗)とデジタル(=ECサイト)の違いはあります。

クリエイティブ(全体)

アナログ媒体を使う(ダイレクト)マーケティングの場合、どうしても紙媒体、言い換えると手紙(ダイレクトメール)に帰結してしまいます。アナログの媒体は動きがない、または作りにくいので*3、シンプルなお知らせであったりすぐに行動できるような仕組みづくりを心がけるわけです。

一方デジタルでは、と言うと、店舗そのものもそうですが、広告もデジタルで打つケースが多いので、仕組み上は既存のホームページの作り方と同じような形で作ることが可能にはなります。「ペライチサイト」とか「キャンペーンサイト」などと言ったサイトと同様に、単一の商品であったりキャンペーンそのもの、いま時期であればお中元シーズンのお知らせみたいなモノを単ページで作り、リンクを公開する、またはWeb(HTML)形式のメールで送ったり、広告プラットフォームに乗せたり*4

『店舗づくり』

アナログな、と言うよりは実店舗の作りは、商品陳列であったり購入を促すための動線づくりであったり、と言ったあたりを意識することになります。意外と気をつけなければいけないのは「店舗」の周辺をきれいにしておくことだったりもしますが、「この店で買いたい」と思ってもらえるようなことを実施するという点で言えば実はデジタルでも同じだったりはします。

デジタル(ホームページ)における「動線」は、ユーザーの目線という意味合いで表現されます。ホームページの作りは紙と同じくゼット型で「読まれる」ことが多いため、目に付きやすい情報は左上から右上、そこから左下に移動する*5のでその線上に配置する、とか。インタラクティブであることや、最近では「モバイルファースト」みたいな話もありますが、結局は「読み物」として+購入しやすい仕組み/配置、みたいなことが店舗づくりの根幹だったりします。

*1:私は個人ですので、私から見れば"Personal to Business"なのか"Freelance to Business"とでも言うのかもしれませんが、新しい言葉を作るのが好きではないので...。

*2:事実、ある印刷会社さんはダイレクトマーケティングに強みがあったので、デジタルマーケティングへの応用/コンバージョンをサクッと行って今でも積極的に顧客獲得をされているようです。

*3:あるんですよ動きのあるDMの作り方。封書だとそれこそ封入の仕方を少し工夫するだけでずいぶんと動きが出てきます。

*4:LINE広告とか最強ですよね。

*5:ゼット(Z)型に目線が移動します。