副業YouTuber断念(今はムリ)

2020年の初め頃にYouTuberを目指そうとアイデアを練っていました。が、最近のYouTubeを見ていて「個人」またはフリーランサーとしてのYouTubeチャンネル開設についてはしばらく見送ろうと考えました。ただ、ビジネスモデルとしてのYouTube利活用を否定するものではなく、むしろビジネスとしてのYouTube利活用は積極的に提案をしていきたいと考えています。

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コロナ禍とYouTube/YouTuber

半年くらいで気持ちが変わった要因として、ざっくりと言えばコロナ禍の影響が主なんですが、一般的にはこのコロナ禍がYouTubeへの関心の高さ、参入数の増加につながっているし、ここでYouTubeに参入すべきだ、という意見が多いのですが、私自身はいくつかの条件を持っていなければ今、そして今後もYouTubeへの参入はすべきではないかな、と感じています。

特に個人が副業(というか広告収入を得る方法)としてYouTubeへの参入を行うことについては止めた方がいいですし、すでに副業でやっている人たちも本業としてのYouTuberを目指していくのもあまりおススメできないかも、と思っています*1

「プロ」の新規参入YouTuberが増えた

2020年より前にも一定量存在しましたが、いわゆる「芸能人」のYouTube参入は2020年に入って一気に増えたように思います。好きな芸能人もいたりして私もついつい見てしまうのですが*2、見ていると最初のうちは「あ、テレビでは見られない一面も見ることができて面白いなぁ」と思うわけですが、他の一般のYouTuberのチャンネルも見ていると、芸能人の動画の作りは圧倒的に「よくできている」と感じます。

当たり前ですが、芸能人はテレビに出て自分を見せることでお金を稼いでいる人たちですから、どうやって自分を見せるのか、ということについては熟知しているわけです。しかも、カメラワークもシロウトっぽくしているところが多いですが、カメラマンやマネージャーなどが介在しているであろう作りである事の方が圧倒的に多いです。また、動画の構成もよくできていて、ストーリーをきちんと作っていてそれを『演じている』なぁ、と思うところは多いです。

芸能人のYouTube参入についてはまことしやかに言われているのが、テレビ番組が一時的に作成されなくなったこと。コロナの影響によりスタジオやロケの収録が難しくなったり不可能になってしまったことが原因で*3、同じ映像作品として収入を得やすいYouTubeに活路を見出したと言われています。

芸能人はYouTubeに来るな、というつもりは全くないのですが*4、個人としてYouTuberになろうとすると、プロとの闘いを強いられることになります。もともと2020年初頭の段階でもYouTube自体はレッドオーシャンでしたし、食い込んでいくにはよほどの策を練らないと、と思っていましたが*5、少なくとも現時点でかなりの数の芸能人が参入してきている状態ですし、コンテンツとしては飽和状態になるでしょうから、今ここで『満を持して』コンテンツを投入したとしても埋もれてしまうのが関の山でしょう。

誰もがやっていること「しか」できない

コロナ禍でYouTubeを視聴する人たちが増えたと聞きます。視聴者が増えればそれだけ多様性も増すので、今まで誰もやったことのないジャンルでニッチな視聴者を増やす、という方向性は当然考えていいと思うのですが、この「誰もやったことのない」ことが問題視されるケースがあります。

例えばキャンプ動画。キャンプは2015年くらいからブームに火が付いていて、日本だけではなく世界中で流行っているのですが、たまに「違法まがい」なキャンプ動画がネットに上がっていたりします。日本でも一部で話題になっていますが、英語で言うところの「Stealth Camping」、キャンプをしていないように見せかけて実はキャンプ中、みたいな行為と言えばいいでしょうか。日本だと本来キャンプを含む宿泊を禁止している道の駅の駐車場などで自炊を含む飲食を伴う車中泊を行う行為が問題になりました。

Stealth Campingの動画はキャンピングカーやキャンプのアイデアとして役に立ちますし、自分自身がキャンプをしようと考えているので方法論としてのステルスキャンプは「アリ」ですが、かと言って法の目をかいくぐってまで行うことではないですし、更に言えばそれを動画にして公開するなどといったことは考えもつきません。

問題は法の目をくぐり抜けるタイプのモノではなく、ちょっとだけ一般とは外れたことをした場合。一般的にはキャンプをするにあたりきちんとした装備を揃えるべきと思われているにもかかわらず、何かを現地調達するために山や川に入り込んでいくような行為を動画にすることで、「非常識だ」のなんだのと指摘を受ける、いわゆる『炎上』を起こしてしまうことです。

特に最近はこの『炎上』が起こりやすいように感じています。上述のように、YouTubeの視聴者数が増えたことにより、ひとつの行為に「目くじらを立てる」人の割合が増えたのだろう、と考えていいと私は思っています。ただし、それ自体は仕方のないこととも言えます。自分が表現した言動がすべての人たちに認められるわけではないので、何らかの批判や指摘もあるだろうと思います*6が、その批判や指摘を受けた事実をプチ炎上状態と受け止め、マスコミが話題にすることでいきなり大炎上となるケースが最近は増えてきました。

そうなってくると、コンテンツとして新しいことを行うことは危険を伴うため、できるだけ安全なコンテンツを作るようになってしまいます。今まで誰かがやってきたこと、かつ炎上していないことであれば安全ですから、そういうコンテンツだけを作っておけばいい、ということになります。

これからYouTube参入を目指す人たちへのアドバイス

ここまで書いたように、私自身は「個人としての」YouTube参入は現時点では見送りをしようとしています。したがって、私と同様に個人としての参入を検討している人たちに対しては、

  • 現状は参入をする時期ではない
  • アフターコロナ(Withコロナではなく、コロナ禍が過ぎたあと)に別プラットフォームも含めて検討をすべき

という見通しを伝えるであろう、と思います。では、個人でなければどうか、つまり法人は、と言うと、個人とは逆で今が参入時期としてはベストではなかろうか、と思っています。

商品広告ツールとしてのYouTube

自社商品を持っていてD2Cに取り組む中小企業であれば、認知度を少しでも上げるためにYouTubeへの参入は検討してよいと考えています。だからと言って、まるでテレビCMのような動画を作らなければいけないのか、と言うわけではなく、むしろ手作り感が残っているくらいの動画を作るのがよいのではないかと思っています。

「商品の紹介動画」は当たり前ですが商品の宣伝になります。でも、商品紹介をイメージとして作るのではなく、実際の商品利用イメージを想起させるような紹介動画を作ると、より商品への認知度が高まります。

企業紹介ツールとしてのYouTube

商品紹介に比べてちょっとだけ敷居が高いのですが、企業の紹介を行うためにYouTubeプラットフォームを使うというやり方もあります。普段は公開をしていない企業の内部、例えば会社の業務風景であったり店舗であればバックヤードツアーなど、消費者が普段目にすることのない情報を(もちろん見せられる範囲で、ですが)動画にすることで、企業に対する親近感を覚えるような感覚を持たせることができます。

敷居の高さの理由は、この手の動画はストーリーを作る必要があることと、動画を効果的に編集しなければいけないことの2点で、これらは高い技術力を必要とするため、どうしても「カンタンに」作ることができないからです。

2021年秋くらいに参入できるといいなぁ

あまり予想が当たるタイプの人間ではありませんが、次の参入機会を狙うとしたら2021年の夏から秋にかけてかな、と考えています。東京オリンピックが無事開催されるという前提で考えると、オリンピックが開催されるということはそれだけコロナ禍が(あくまでも現時点に比べて)沈静化しつつあるという状況なのだろう、と思いますし、テレビやマスメディアに関して言えば活況となることは予想ができるので、「プロ」の参入は少なくなっていき、更には現状からも淘汰されていくことも予想されます。

もしかすると他のプラットフォームへの参入の方がよいかもしれない、とは思います。私はTikTokについては個人・法人(中小)ともに参入については現時点では否定的な考えを持っていますが*7、2020年7~8月に起こったTikTokプラットフォームのアメリカ国内での買収や利用禁止騒ぎの動向によっては販促で使えるツールに生まれ変わるかもしれませんし、このあたりは動向を見ながら考える、といったところでしょうか。

もちろん、実験動画の作成は暇を見てやろうと思っていますし、YouTubeチャンネル自体はすでに作成・公開済なので、アイデアを公開する場としては今後も利用を続けていきたいと思っています。

www.youtube.com

*1:唯一個人YouTuberが生き残る方法はプロダクションやエージェントへの登録をし、プロダクションフィーを払ってでも視聴者を増やすくらいでしょうか。

*2:しょこたんのチャンネルは即登録しました。

*3:現在も「三密を避ける」ためにスタジオ収録の人数も絞られるようになっていて、スタジオ全体を俯瞰するカメラワークはあまり使われなくなっています。

*4:興味のない人たちがおススメに上がってくるのは若干ウザいな、と思いますが...。

*5:2020年1月当時は、「いかにも」な動画ではなく、より映像作品的なモノを作っていきたいと考えてはいました。このアイデア自体はまだ生きているというか、使えるアイデアではある、と自負はしています。

*6:伏線を張るわけではないですが、私のこの意見についても当然批判や指摘はあっていいと思いますし、ご批判ご指摘は真摯に受け止めます。

*7:TikTokには「時間」の概念がないのでビジネス、というか販促目的の利用はちょっと難しいです。